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(9)精和S型ロケットのランチャーを「射」が両手に支えて保持し、「索」がロケットをランチャーに装境する作業に従事中、突然ロケットが点火し発射した、幸いランチャーは何も無い海上方向に向いていた為、飛翔したロケットによる事故はなかったが、後方に吹き出したロケットの炎によって「索」の右手袋と上着右袖部分を少し焦がした。
経過
イ. この操作において「射」も「索」も同発射器の取扱い明細書に従って取扱いっていた。即ち「索」は「射」の支えたランチチャーにロケットをストッパーで止まるところまで押し込み、スライド板をクランプばねに差し込み、脚線を点火コードに接続し、ロケットをストッパーの前方へ移動させるために押し込み棒で押し込んでいたところ発射してしまった。
この時安全スイッチはOFFにしてあり、充電スイッチも、発射スイッチにも触れていない。
ロ. 本発射器を製造会社へ送付して調査させたところ、次のような状況が偶然積み重なった結果で、極て稀な現象であったとの回答があった。
(イ)電池に繋いである赤い線(+)が切断していて安全スイッチのロケット側の端子に直接触れた。(実際に赤い線は切断していた。)
(ロ)電池に繋いである黒い線(−)がフタとケースの金属部分に挟まって、強く圧迫された為被覆が破れ芯が露出してケースに接した。(実際に黒い線は挟まって被覆部分が潰れていた。)
(ハ)点火コードのクリップによりロケットの2本の脚線に接続された部分のうち、1本のクリップまたは脚線の露出した部分が、操作中に発射器の金属部分に接触した。
(ニ)以上の結果、電流の流れた回路が次のようになりロケットに点火されたと思われる

 041-1.gif

イ. 点火装置のフタは必要の時以外は開けない。
ロ. 電池交換の時は線が細いので切断等のないように丁寧に扱い、また、裸の部分が金属部分に接触したり、フタとケースの間に挟まったりしないように線を正しく納めてらかフタをする。
ハ. 外部からの電池のチェック方法は、通常の使用方法でスイッチを操作して、点火コードの両端でテスターにより測定し15ボルト以上あれば支障ない。電池は、通常の保管、使用状態では2年間は十分使用できる。

 

 

 

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